専業主婦と男子
「大体みんな分かってないよね。」
彰は不満そうに言い出した。
「専業主婦が楽だっていう男の気持ちを考えたことある?」
「楽そうだから楽だって言ってるだけでしょ?バカにされてる様にしか感じないけど。」
テレビから視線を逸らすこともなく由美子は答える。テーブルの上にあるせんべいに手を伸ばしてボリボリと音を立てながら食べていると、彰は更に不満そうに話を続けた。
「楽そうだから楽だって言っている。それはあってるよ。でも馬鹿にしてるわけではないと思うんだよ。」
「今だってあなたは私はせんべい食べながらテレビ見て楽そうだなって思ってるわけでしょ?でもこれはあなたがいない間に炊事洗濯を終わらせた結果できてる行動なわけ。あなたが家にいるときに炊事洗濯をしていたらあなたがなにかやってほしいことをやってあげることができないでしょ?だからあなたに見えないところで私は色々なことをやっているわけよ。それを見ていないからって楽そうだって言われたら、それは馬鹿にされてるように感じちゃうわよね。」
「私は心が広いからいいけど」とこちらを振り向いて微笑みながら由美子は言った。そんな笑顔で言われたら卑怯だよなと彰は内心微笑みながらも不満そうな顔を崩さずに続けた。
「そうじゃないんだって。忙しい忙しくない。本当にその作業自体がきついかはこの話の主題じゃないんだよ。」
「それが主題じゃなかったらなんだって言うの?」
「男性の多くは専業主婦が仕事をするよりも楽だと思っている。裏返して考えると自分は仕事というきついことをやることで、女性に自分がらくだと思う専業主婦をやらせてあげてるってことなんだよね。専業主婦は楽だと思ってるから仕事を一生懸命やることで妻が専業主婦が出来る環境を整えてると見ることもできるわけ。それなのに女性は男性の心意気を無視して、楽して馬鹿にされてると思ってる。なんか不毛だと思わない?」
「そうだね。この話自体もすごく不毛だよね。」
「なぜそんなことを言うのさ。僕は以下に君を専業主婦にしてあげたいかを話しているのに何が不毛なの?」
「それはね。私は働くのが好きであなたが仕事を辞める前から私のほうが年収が高かったわけ。私とあなたでどっちが仕事に向いててどっちが舵に向いているかを冷静に考えると私が仕事であなたが家事なの。一般的な家庭の話をしても何も意味無いでしょ?」
テーブルのせんべいをもう一枚取ってボリボリと食べながら由美子は言った。彰は台所で皿を洗いながら楽させてもらってありがたいと僕はわかるのになぜ世の女性は楽をさせようという男の心意気を無視するのかがやはり不満でならなかった。
逆チョコで告白
「あの、すいません・・・。」
不意に声をかけられ、思わず振り向いて光子は思わず舌打ちをしそうになった。
振り返った先には気の弱そうな男性がしたを向きながらもじもじしていた。
「あの、今日ってバレンタインデーですよね?」
「そうですね。それがどうかしたの?」
「僕、好きな人に逆チョコをあげて告白したいと思ってるんです。」
「そう、すればいいじゃない。」
「でも、僕チョコのこととか全然知らなくて。。。できればあなたの好みのチョコレートを選んでもらってそれをプレゼントしたら喜ぶんじゃないかと思ってるんです。」
「え?何を言ってるの?なんで私があなたのプロポーズのためにチョコを選ばないといけないの?」
そう言い放つと光子は止めていた足を再度動かし足早に立ち去ろうとする。しかし、気の弱そうな男は外見とは裏腹に腕にすがって必死に訴えてくる。
「そんなこと言わないで下さい。あなたにしか頼めないんです」
「なんで私なのよ。そこら辺に歩いている人間はいくらでもいるじゃない。私じゃなくて違う人に頼みなさいよ。」
「そんなこと言われても・・・。」
気の弱そうな男は下を向いて今にも泣きそうな顔をしている。捨てられた子犬を思わせる体の震え。思わず母性本能をくすぐられた光子はため息を付くことしかできなかった。
「お願いします。今回だけでいいんです・・・。」
消え入りそうな声で気の弱そうな男は続ける。フーっと息を吹きかけえるだけで命の灯火が消えてしまいそうな生命力のなさ。最初に話しかけてきた勇気はどこに言ったと光子は突っ込みたい気持ちをぐっと堪えた。
「わかったわよ・・・。私が好きなチョコでいいのね?」
「えっ!本当にいいんですか???」
「ただし、選ぶだけだからね。お金も出さないし何もしない。これがいいって選ぶだけ。わかった?」
「もちろん。お金を払ってもらおうなんて微塵も思っていませんよ!」
面倒なことに巻き込まれたと思いながらも行きつけのチョコレート屋さんへと足を運ぶ光子。道すがら話をしていると光子を選んだ理由はそこのチョコレート屋さんへと足を運ぶ姿をよく見ていて、この人が選ぶチョコなら間違いがなさそうだと前から思っていたと気の弱そうな男は話していた。女性は男性が頑張って選んでくれたチョコのほうが嬉しいに決まっていて、女性ごころが全く分かっていないこの振られるであろう男のために逆チョコを選ぶなんてなんて不毛な時間だろうと光子はOKを出したことに早速後悔をした。
約束を下からにはさっさと終わらそうと、チョコレート屋さんにつくと同時に品定めを始め、予算内で良さそうなチョコレートを選んでいく。選び終わると気の弱そうな男性が会計をしている最中に「じゃ、これで」と店を出て行くのであった。
「ちょっと待ってください!」
後ろから気の弱そうな男の声が聞こえてくるが無視を決め込んで足を止めずに歩き続ける光子。そのまま無視して歩き続けていると肩を掴まれて後ろを振り向かされた。
「待ってください。」
「なによ。私の役目は終わったでしょ?」
「違うんです。ここからが本番なんです。逆チョコで告白したいと思っていたのはあなたなんです!」
「・・・」
「ずっとこの店に通っているのを見ていました。チョコレートが好きだと分かっていたのでこれ以外に告白する方法が見つかりませんでした。不躾だとは分かっています。電話番号を書いた紙を入れているのでよければそこに連絡を下さい!」
言うと同時に駆け出す気弱な男。「ちょっと・・・」と言って追いかけようとするが突然のことでうまく体が動かず呆然と立ち尽くしてしまう光子。「もぅ」と言いながら気弱な男の顔を思い出してみる。あの泣きそうな顔が子犬っぽくてすごく可愛らしい男の子だったと光子は思う。ちょっとだけ笑うと光子は家路へと歩き出すのだった。
っということが起こるに決まっている。こんなめんどくさいことが起こるのを考えると舌打ちしたくなる気持ちも少しは分かってくれるであろう。実際ははげかかったおっちゃんから道を聞かれてちょっと道を教えただけですんだのでありがたい限りだった。そう、決して悲しくはない。ありがたい限りである。
河川敷を散歩する二人
穏やかな春の日差しが気持ちいい午後。隆と光子は散歩をしていた。晴れた日は河川敷を散歩するのが習慣になっている二人はいつも通り川の隣の道を歩いた。二人の前で犬の散歩をしている老人がいる。老人はゆっくりとしたスピードで歩いていて、そのスピードに合わせて犬も並んで歩いている。前に飼っていた犬は私のことを引っ張ってでも走ろうとしていたのに同じ犬でも全然違うんだなと光子は思った。
「あの犬ってすごくゆっくり歩いてるよね。」
「ん?何の話?」
「いや。前に犬を散歩してる老人がいるじゃない。その隣を歩いている犬のことよ」
隆はちょっと考えこむとゆっくりとしゃべりだした。
「河川敷と犬を散歩してる人ってマッチするよね。天気が良い日に犬を散歩しながら歩いている老人。なんて穏やかな風景なんだろうね。」
「そうだね。なんかほのぼのするよね。」
「そういえば、人間が物を見る時ってどういうふうにやってるか知ってる?人間が物を見るっていうのはね。光を見てるんだ。」
「例えば・・・」といって隆は川に石を投げた。石が落ちた場所ではぼちゃんという音とともに波紋が広がる。
「今。僕が石を投げて川に落ちて波紋ができただろ?これは一連の動きなんだけど、全て物体に光が反射してできた光を脳が反応して見えた!ってわかるわけ。つまりだよ。実際起こっていることよりも光の速度分だけ遅い画像を僕たちは見てることになるんだよね。」
「なんか難しい話だね。私わからなくなってきちゃった」
「もうちょっとだから話を聞いてよ。ここでちょっと考えをずらして【もし光の速度がすごく遅い世界】っていうものを考えてみたとするでしょ?そうすると、物が動いてそれに光が反射して僕達の目に届く時間がすごく遅くなるってことになるんだよね。それだけ間が伸びるってこと。」
そう言うと同時に隆は右手を光子の顔の前に動かし視界を手で遮った。光子はうっとおしそうにそれをはねのける。
「ね。いま光子は僕の手が邪魔だからどかしたわけ。それは僕が手を移動させたのとほぼ狂いは無い。これが光の速度がすごく遅かったとすると、手で遮ったと光子がわかるのが1時間後とかになるかもしれないわけ。そうなると光子は僕の手を払おうとしても既に僕の手はそこにはない可能性があるんだよ。1時間も光子の前に僕は手を上げておきたくないからね。」
「だからなに?何が言いたいの・・・?」
「まぁ、要約すると僕にはその老人も犬も見えない。もしかしたら光子に届いてる光がそこだけ屈折して遅く届いたんだったら光子にだけ見えるってこともありえるのかと思ったけど考え過ぎなのかな。」
そう言われて光子は前を見ると、確かに歩いていたはずの老人も犬もいない。お化けって案外そういうもんなのかもねと隆は続けているがお化けは夜だし今は昼だしあの老人は前を歩いていただけだし何を言っているのやらと呆れるばかりの光子であった。
僕は彼女がほしいわけじゃない
「わかったんだ。僕は彼女がほしいわけじゃない。彼女がいるというステータスがほしいんだよ」
嬉々とした表情で雅史は語りだした。
「彼女がいる生活っていうのはすごくいいと思うよ。でも色々弊害が有るじゃないか。例えば時間。彼女ができると僕はその人とデートすることになるよね?そうなると今まで僕が自由に使えていた時間を彼女と一緒にすごさなければならなくなるよね?それは1周間のうちの1日かも知れないし、1ヶ月の中の1日なのかもしれない。けど、全く時間が削られないということはありえなくてさ。そんな無駄なことに時間を使う暇はないんだよね。」
雅史は一息つくと目の前の水で軽く喉を潤した。
「次にお金だよね。今の時代は男女平等って言ってるけど、多くの女性はデートでお金を出してもらうことを望んでるだろ?一緒にご飯食べてお酒を飲んだら大体1万円ぐらいは飛んでいってしまうよね?外食するデートが1ヶ月に1回に絞ったとしても1万円が毎月コンスタントになくなることになる。このお金で本を買ったと仮定するじゃない。大判でも高くて1冊3000円だから3冊もの大判の本を読むことができるんだよね。ビジネス書なら5冊以上は読むことができると思う。女性とデートするのと本を読むこと。どっちが人間として成長できるかといえば本を読むことだよね?」
雅史は嬉々として続けている。
30歳ぼっち。山に登る
智は山に登っていた。登っている道の先を眺めても木しか見えない。横を向くと木の隙間から見えるのも更に木。上を眺めるとかろうじて葉の間から空が見えるが今が腫れているのか曇っているのかいまいちわからない。生い茂った葉の間からしか光が差していないにもかかわらず明るいのだから、晴れているのであろう。なぜこんな山を登ってしまったのだろう。登りだしてまだ30分も経っていないのに智はすっかり後悔しだしていた。
30過ぎてぼっちなら山に登ればいい
いつも通り家でネットサーフィンをしていると匿名掲示板に30歳ぼっちが有意義に日々を過ごすためには山にのぼるのが一番いいという内容の書き込みを目にしたのだった。生活は家と仕事場の往復のみ。家に帰ってから缶ビールを飲みながらネットを見て、休日は仕事につかれた体を休めるべきだと自分自身に言い訳をしながらゴロゴロと過ごしていた。その日々の代償は体に着々と現れ、気がつけば働き出してから30kgも体重が増えていた。これでは駄目だ。運動しなければいけないと考えながらも何をすればいいのかわからず過ごしていた智にとっては行幸のようなものであった。
その書き込みを見た翌日にはネットで山登り道具を購入してどの山にのぼるかを決めたのだった。前日は山登りへの期待からワクワクして眠れなかった。山登り当日は登る山へと車を走らせながらこんな高揚感を感じるのはいつぶりだろうかと考えながら自然と失笑がこみ上げるのを防げなかった。
あの前日のわくわくを返せ。智は記事を書いた人間への恨みつらみがこみ上げてくるのを抑えるのに必死だった。川のせせらぎが遠くから聞こえてくる。まるで自分がのどが渇いているのを見透かして近くにおいしい水があるのに可哀想と笑っているように聞こえた。頭上では鳥の鳴き声が聞こえた。重い体を一歩一歩動かしながらゆっくりとすすんでいる亀のような自分のことを馬鹿にしているように聞こえた。きた道を引き返そうかと振り向いてはみたものの、今まで上がってきた道はぽっかりと木で出来た口のように見えて引き返せばその口に飲まれ二度と出てこれないような気がした。
引き返すので疲れるぐらいなら登るしか無い。
一歩。また一歩。下を向いたまま地面を噛み締めながら智は山を登っていた。頭上ではまだ鳥が馬鹿にされている。人間は私達のように羽がないから惨めね。自由に空を飛び回れないなんてなんてかわいそうなのかしら。人間の言葉に翻訳すればそんなことを言っているのだろうか。そんな馬鹿げた妄想をしながら登っているとふいに道の前方が明るくなっているのが目に見えた。
やっと木に囲まれた代わり映えしない風景が変わるのかと頭をあげると智の目の前には小さな小さな自分が住んでいる待ちが見えた。今まで木に遮られて届かなかった冷たい山風がほてった体を冷ましてくれる。ただ自分が住んでいる町を遠くから見ているだけ、それだけのはずなのに言いようのない達成感が体を駆け巡るのを智は感じていた。智はバッグの中からおにぎりとお茶を取り出し地面に座って食べだした。ぼっちで山を登るというのもいいものかもしれない。目の前に広がる小さな町とそこで何も起きないと感じながら過ごしていた今までの日々を思い出すと自然に沿う思える自分がいたのだった。
右には山頂へと続く道、左には今まで登ってきた道が見えている。智は自然と左へと体を動かし自分の登ってきた道を戻るのであった。今日は日が悪い。ここまで登ってこれただけでも今までと比べればすごい前進だ。次に登るときは案外簡単に登れるかもしれない。そんな言い訳をしながら木で出来た口の中へと今までの自分と大差ない自分として食べられていくのだった。
著作権を侵害したブログが訴えられそう
晴海がテレビを見ていると玄関のドアが乱暴に閉められる音がした。篤は機嫌が悪くなると物にあたる人なので、また上司に怒られたとか些細な事が起こったのだろうとたかをくくっていたが今回はいつもんとちょっと様子が違った。
乱暴にドアを閉めると居間までドカドカとわざと音を立てて歩いてきて、自分がいかに機嫌が悪いかをアピールして最後にソファーに向かって持っているかばんを投げつけて大げさにため息をつく。ここまでがいつものワンセットなのだが、今回はドカドカと居間まで歩いてくる音がしない。
心配になった晴海はテレビを見るのをやめて玄関まで歩いてみると玄関に向かって俯いている篤の姿があった。
「どうかしたの・・・?」
晴海は問いかけるが篤からの返答はない。男の哀愁が漂う背中は色気があるという言葉をよく聞くが、この哀愁という言葉しか感じない背中を見ても色気を感じることができるのだろうか?生気が抜けきって向こう側が透けてしまうのではないかと不安になるほど哀愁が漂う背中を晴海はただただ見つめていた。
しばらくだまっていると篤がポツポツとしゃべりだした。
「俺はもう終わりだ。。。」
「何よいきなり。なにがあったっていうの?」
「あいつに目をつけられたんだよ。著作権ってなんだよ。そんなもの合ってもなくてもいいじゃないか!なんで俺なんだよ。他にもやってる人間はいっぱいいるじゃないか!」
下を向いたまま篤は怒鳴りだした。
「晴海もそう思うだろ?俺は悪くないよな?悪く無いって言ってくれよ!」
「・・・ちょっと落ち着いてなにが起こったのか話してみて。」
優しく背中をさすりながら晴海が話を促すと篤は起こったことをゆっくりと話しだした。
篤は会社の給料だけでは生活が苦しくなるためアフィリエイトを始めていた。それは自分がオモシロイと思ったテレビやラジオを文字に起こして書き出しニュースのように配信するサイトだった。最初は小さかったが段々とネットで話題になり、少しづつアフィリエイトで稼げるお金も増えてきてこれから生活が楽になるんじゃないか?そう思いだしてきた矢先にある著名人のブログから自分のブログに対して著作権侵害で訴えた方がいいのではないかという趣旨のエントリーを上げられた。そこから知らない人の罵詈雑言のコメント、メール、Twitterのメンションが1日中飛んできだした。見知らぬ人間から乞食と罵られ、生活保護でもうければいいと言われ、本日中に裁判を起こすという脅しをかけてくる人間もいた。
「なーんだ。そんなことなんだ・・・。」
「そんなことってなんだよ!裁判が起こって賠償金払わされたら数千万円払わないといけないんだぞ!」
「大丈夫よ。そんなこと起きないから。ネット弁慶たちは上がってきた話題に飛びついて文句を言いたいだけなの。世のため人のために動いてる人間なんてほぼいないから訴えられることなんて無いわよ。大丈夫だから早くご飯を食べちゃいましょ。」
晴海はそう言うと、玄関から居間に向かってすたすたと歩き出した。晴海の後ろ姿を見ながら篤は女性の強さを感じた気がしたのだった。
雨の音
正雄が会社を出るとシトシトと雨が降っていた。
正雄は雨の音が小さい頃から好きだった。あのシトシトという音を聞いていると自分のために世界が悲しんでくれる気がするからだ。正雄の目の前を傘をさした人々が無表情に過ぎ去って行く。あまりの無表情さに自分という存在が希薄になり誰にも見えていないのではないかと不安さえ覚えてしまう。正雄はプッシュ式の傘を取り出しボタンを押して傘を開いた。バンっと大きな音で傘が自己主張をするが道行く人は正雄のことなど気にもとめず歩いていく。
僕がこの場で叫んでもこの人達は無関心なんだろうなと、取り留めもないことを考えながら正雄も無表情の人の流れに混じっていく。無表情の列を歩いている時も相変わらず雨はシトシトと降り続けている。シトシトシトシト。正雄はこの音だけが自分という存在を肯定してくれている気がした。