僕は彼女がほしいわけじゃない
「わかったんだ。僕は彼女がほしいわけじゃない。彼女がいるというステータスがほしいんだよ」
嬉々とした表情で雅史は語りだした。
「彼女がいる生活っていうのはすごくいいと思うよ。でも色々弊害が有るじゃないか。例えば時間。彼女ができると僕はその人とデートすることになるよね?そうなると今まで僕が自由に使えていた時間を彼女と一緒にすごさなければならなくなるよね?それは1周間のうちの1日かも知れないし、1ヶ月の中の1日なのかもしれない。けど、全く時間が削られないということはありえなくてさ。そんな無駄なことに時間を使う暇はないんだよね。」
雅史は一息つくと目の前の水で軽く喉を潤した。
「次にお金だよね。今の時代は男女平等って言ってるけど、多くの女性はデートでお金を出してもらうことを望んでるだろ?一緒にご飯食べてお酒を飲んだら大体1万円ぐらいは飛んでいってしまうよね?外食するデートが1ヶ月に1回に絞ったとしても1万円が毎月コンスタントになくなることになる。このお金で本を買ったと仮定するじゃない。大判でも高くて1冊3000円だから3冊もの大判の本を読むことができるんだよね。ビジネス書なら5冊以上は読むことができると思う。女性とデートするのと本を読むこと。どっちが人間として成長できるかといえば本を読むことだよね?」
雅史は嬉々として続けている。